OBR2 多重地獄の復讐鬼 聖戦期予告


 兵庫県立梅林中等学校三年六組は、二年前に起こった同県内の姉妹校での事件、松乃中等学校大火災による被災者達の集まりである。

 2007年十月。
 『被災者特別クラス』と称されているその学級は不運にも、共和国戦闘実験第六十八番プログラムに選ばれてしまった。
 親友、同志、強敵。
 時間が経つと共に、クラスメート達は確実に数を減らしていき、その度に、残された者たちは悲しみのあまり涙した。

 そんな中、一人の男子生徒が驚くべき事を口走り、物語は急展開を迎える。

「松乃中は俺が燃やした」





歪んだ性癖を持つ男は、七十人以上もの生徒と校舎を、
自らの欲を満たすために焼き払ったと言う。



しかし、本当にそれが真実なのだろうか?





現在プログラム一日目。時刻は午後十六時二十三分。
新たな戦いが幕を開ける――。












−聖戦期開始−

比田圭吾に率いられ、春日千秋と羽村真緒は先の見えない旅に出る。
圭吾の言う『発案者』なる人物とは、いったい何者なのだろうか。
そんなことを考えているうちに到着した場所で、千秋は驚くべき計画を知ることとなる。

その間にもプログラムは進行する。

過去の行いについて自問自答を続ける土屋怜二。
新たな標的を求めて動き出した放火魔、湯川利久。
怒りの炎をさらに燃え滾らせる復讐鬼、御影霞。
そして未だ島のどこかで生き続けている生存者達。

極限状態の中で残された十九人は、自身の存亡を懸けて戦い続ける。








 緊張のあまり、モップの柄を握る千秋の手に汗が滲む。
 紅月の突先をこちらの喉元へと向ける圭吾の目つきは冗談などではない。彼が放つ殺意は真剣そのものだ。
 このままではやられる。
 身構える暇も無かった。瞬きをしたほんの一瞬の隙に大きく踏み出した圭吾は、血に飢えた刃を大きく振りかぶっていた。


 ビーコンの反応につられるがままに周囲を見渡すが、どこにも人の姿など見られない。
 茂みの中にでも隠れているのだろうか――。
 そう思ってさらに奥へと進もうとした時、利久の両眼は立ち並ぶ木々の向こうに人の姿を、今度こそしっかりと捉えた。
 自然につり上がる口の両端を押さえて、笑いが漏れるのを慌てて止めた。


「いや、謎が二つ残されているんだ」
「謎?」
 桂木は周囲を見回して、辺りに誰もいないのをもう一度確認してから、顔をしかめる木田の耳元で囁いた。
「桑原教諭が言ってたんだ。松乃の火災が発生した当時、気になる出来事が二つあった、って」




そして物語は最深部へと向かってゆく。



 謎を解くためのキーワードは、思いも寄らぬ場所に隠されている。

 無数に存在する真実への鍵。

 単体では何の力も無いが、人の心と時間の中に埋もれてしまった全ての点が、一本の線上に並んだ時、それらは輝きを放ち始め、真実へと導く標となる。

 そして誰も知らなかった事実がはっきりと見えたとき、探求者たちは思いもよらぬ結末に衝撃を受けることとなる。





はたして、全ての線が一本に繋がった時に明らかになる、
誰も知らなかった事件の全貌とは?

















そして……。































この地に天使が舞い降りてから、世の何もかもが狂ってしまった……。































「ねえ、エンゼルって聞いたことある?」





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