「この島に足を踏み入れた者は、誰一人生きて帰しはしない……」
































岐阜県市立飯峰中学校三年A組プログラムから十一年。

兵庫県立梅林中等学校三年六組プログラムから六年。

2013年六月某日に、また一つの中学校が戦いを強要された。

千葉県私立星矢中学校三年三組。

そして戦いの舞台となったのは無人島。

担当教官はその島のことをこう呼んだ。

烙焔島(ラクエンジマ)

その地面を踏みしめた瞬間、少年は不思議な感覚にとらわれた……。
















沖田 秀之(オキタ ヒデユキ)
 まだ物心付く前の幼い頃、児童福祉施設育清園(イクセイエン)の前に捨てられていた。それ以後、同施設内で過ごすが、自らの境遇が影響して、成長と共に他人のことをあまり信用できない性質が心の内に形成されていった。
 猜疑心の強さのせいか、人の内面を探る能力に長けている。学校に通うようになってからは、接近する機会が多くなるクラスメートたちに対する警戒心が特に強まり、一人一人の内面を読み取って
『安全レベル』『注意レベル』『警戒レベル』『危険レベル』というように四段階の評価をクラスの全員につけている。
 積極的に関わりを持てるのは、百歩ゆずっても『注意レベル』の人間までで、『警戒レベル』『危険レベル』の人間にはよっぽどのことが無い限り関わろうとはしない。
 ちなみに、彼自身の自己評価は、客観的に見て『注意レベル』に相当するらしい。
強い猜疑心という心の闇の存在が、安全レベルには相応しくないと、自ら理解しているためである。
 一人でいる時間を好み、母校である
星矢中学校(ホシヤチュウガッコウ)と育清園のちょうど間辺りに建つ廃墟ひかり荘を秘密基地とし、精神的に疲れている時などに度々訪れる。




森下 藍子(モリシタ アイコ)
 素直で明るく社交的なので、クラス内に仲の良い友達が非常に多い。
 秀之に対しても積極的に交流を持とうとする。が、秀之の側は彼女とは一定の距離を保ち、テリトリー内に入ってこられることをあまり快く思っていない様子。というのも、藍子には外見からは想像できないようなかなり深い心の闇が存在しているらしく、
『警戒レベル』に相当すると、秀之は考えているのである。
 しかし現段階では、藍子の心の闇とは何なのかは分かっていない。過去に家庭内で何らかの事件があったらしいが、それが関係しているのだろうか。




高槻 清太郎(タカツキ セイタロウ)
 学歴志向の両親から、幼少の頃からスパルタ教育を受けてきたため成績優秀。しかし、深夜遅くまでの塾通いの毎日に嫌気がさしてきている。最近ではサボリ癖がつき、しばしば塾にも行かず、居眠りするために廃墟
ひかり荘に出入りするようになってきている。つまり秀之にとって秘密基地の同居人と言える存在。
 彼の内側には闇の存在がほとんど見られないらしく、秀之による評価は
『安全レベル』となっている。厳しい目で付き合う人間を選んでいる秀之に普通に近づける貴重な一人である。
 他人との会話中に難しい例えをしたり、皮肉った言い方を混ぜたりすることがあり、また滅多に靴下を履かない、など、ちょっと変わり者。




千銅 亜里沙(センドウ アリサ)
 ブロンドヘアーに青い色の目で、とても大東亜人とは思えない外見をしている。本人曰く両親は既に他界してしまっているとのことで、中学に入学する直前に育清園に入ってきて、現在はそこから学校に通っている。中学に入る前の彼女のことを知る者は居ない。
 その美しい外見から男子からの人気が高く、一部から密かに
「姫」と呼ばれている二人のうちの一人(ちなみに彼女は物静かな性格をしているため「静」の姫)。しかし、同じ施設に住む秀之は一切近づこうとしない。亜里沙はクラス内でトップレベルの『危険レベル』の人間であると、秀之の本能が信号を発しているためである。
 彼女の闇の正体は不明だが、何故か秀之は視線を感じると、背筋が凍るように冷たくなる。




須王 望(スオウ ノゾミ)
 先天的に右目の視力が極端に低く、赤いカラー入りコンタクトレンズを装着している。
 軽い言動や、服装や化粧に凝っているあたり、まさに今時の女子中高生といった感じだが、生活態度は至って真面目で成績も悪くなく、友達ウケのみならず、教師からの評判も良い。そのため多少の服装の乱れについては、黙認されているというほどでもないが、口頭で軽く注意されるのみに留まっている様子。
 学級委員をこなしながらテニス部の練習にも毎日顔を出すなど活発で、また裕福で何不自由無い家庭で育ったことと、赤い目の色が亜里沙と対比されて、
「動」の姫と一部から囁かれている。
 彼女の中に闇は全く発見できず、
『安全レベル』ではあるのだが、活発すぎる性質が肌に合わず、秀之はあまり関わりを持っていない。
 ちなみにこれは望自身の証言でしかないが、体内のあらゆる臓器が、常人のそれとは左右逆になっているとのこと。
 また、同じクラスの中に、現在交際を続けている男子生徒が居る。




兵藤 和馬(ヒョウドウ カズマ)
 素行が悪くて喧嘩っ早い、クラス一の問題児。
 上下の前歯四本ずつが金歯になっており、また刃物による傷痕が生々しく顎に残っていたり、と、外見から普段の荒れた生活ぶりが窺える。また、左の耳にピアスを三つ装着しており、眉毛の端は剃り過ぎてかなり細い。
 
気分が高揚すると暴力を揮いたくなるという厄介な性質の持ち主で、文句なしの『危険レベル』である。(ちなみに、星矢中学三年三組の危険レベルの人間は、千銅亜里沙と彼の二人のみである)
 とある女子と密会している所を目撃されたことがあるようだが、相手が誰なのかは今のところ判明していない。




新谷 明斗(シンタニ アキト)
 
小柄な男子生徒。しかし数年前に筋肉トレーニングに目覚めたのがきっかけで、今では筋肉質になっている。走力もあり、すばしっこい。
 どちらかといえば無口で、教室では本を読んでいることが多い。尚、彼が読む本の種類は統一されておらず、小説だったり、レジャー雑誌だったり、マジックの入門書だったり、と様々。そのことから、どうやら広く浅く趣味を持つタイプと考えられる。
 
尋常でないほど隠し事が多く、その中にクラスメートたちの運命を左右する情報も含まれているようなので『注意レベル』




三好 伸一郎(ミヨシ シンイチロウ)
 
美術部所属。絵が非常に上手く、特に二年の終わりごろに描いていた油絵は完成する以前から、コンクールの賞を狙えると先生に絶賛されるほど完成度が高かった。しかし……。




大瀧 豪(オオタキ ゴウ)
 
須王望と交際している。クラスの男子の中では二番目に背が高く、二人が並んでいるのを見るとバランスの悪さを感じずにはいられない。
 周囲から「ゴリラ系」と言われるように一見暑苦しそうな印象を受けるが、スポーツマンであり実は結構爽やか。
 バレー部所属。




角下 優也(カクシタ ユウヤ)
 
男子学級委員。統率力に優れており、クラスメートたちからの信頼も厚い。




市川 啓子(イチカワ ケイコ)
 
学級委員の角下優也に、何故か対抗心を燃やしている。
 優也の意見にあえて対立することが多く、そのせいでしばしばクラスが二つに分裂してしまう。




藤田 矢子(フジタ ヤコ)
 
援助交際しているところを同じ学校の生徒に目撃されて以来、話がどんどん飛躍していき、悪い噂が後を絶たない。
 近寄る者はほとんどおらず、一匹狼状態である。




鷲尾 健介(ワシオ ケンスケ)
 
性欲を理性で抑えられず、卑猥な言動がとても目立つ。
 友達はそれなりにいるが、女子からは気味悪がられている。










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